コーヒービールにかける想い

コーヒービールというと濃色系のビールを思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は敢えて淡色のビールにしました。淡色の方がコーヒーのアロマやフレーバーを綺麗に表現できるのではと考えたからです。
ベースモルトはアメリカの2rowモルト（ピルスナーモルト）を使用しました。際立ったキャラクターがあるモルトではないので、このモルトをベースにすれば綺麗な土台になるかと考え選びました。
コーヒー豆は発酵、熟成が終わったビールに漬け込みますので、水出しコーヒーやアイスコーヒーなどをイメージして今回醸造させていただきました。コーヒー豆はそのままの形の豆（アロマ用）、粗挽き（フレーバー用）の2種類をビールに漬け込みます。こだわりとしては、綺麗な味わいのアメリカンゴールデンエールに形の違う2種類のコーヒー豆を漬け込む所にあります。こうする事で、アロマだけではなく飲み込んだ後のコーヒーフレーバーもより感じるかと考えました。
味わいは程よいボディと苦味があり、グラスに鼻を近づけるとコーヒーアロマが香り、飲み終わった後までコーヒー感じる味わいになっています。 今回よりコーヒーを感じていただけるように、一つ綺麗なビールを目指しました。具体的には、ビールのボディはミディアム程度で、苦味は強くしすぎないようにIBU19に設定し仕込み段階でもほとんどのホップを仕込み後半で使用しました。そうする事で、柔らかい苦味を表現しました。
苦労した点は、どの程度コーヒーアロマ、フレーバーを抽出するかという事でした。色々な量でコーヒー豆を少量の淡色のビールに漬け込み、1〜2日間置いて味わいの確認をし、今回のアロマ、フレーバーになるようにしました。アロマ、フレーバーがありすぎると、ビールのキャラクターが弱まりますし、逆になさすぎるとコーヒービールと感じにくくなりますので、そこのバランスに苦労しました。

今回キャラバンコーヒーさんとコラボする事はとてもありがたい事でした。今年一年お互いに行き来し何度もやりとりをする事で、やっと今回コーヒービールを仕込むことができたと思っています。実際にビールの仕込みに参加していただいたり、コーヒー豆を焙煎している工場を見学させていただくなど、コーヒービールをただ仕込むだけでなく、どのような工程でコーヒーへとなっていくか、そこまでにどのような人が関わっているかなどを知る機会を頂け本当によい経験をさせていただく事ができました。また、キャラバンコーヒーさんのさらに会社をよりよくしていきたい、変えていきたいという熱い思いに、微力ですが横浜ビールも参加出来る事ありがたいです。